婦人科外来の診断、治療に使われている「産婦人科診察ガイドライン-婦人科外来編」(日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会)によると、月経前症候群の診断は、発症時期、身体症状、精神的症状から行うとされています。また診断には、米国産科婦人科学会の診断基準も考慮されます。
月経前症候群(PMS)とは?
日本産科婦人科学会用語集によると、月経前症候群(PMS)は次のように定義されています。
月経前3~10日間の黄体期のあいだ続く精神的あるいは身体的症状で月経発来とともに減弱あるいは消失するものをいう。いらいら、のぼせ、下腹部膨満感、下腹痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、頭痛、落ち着きがない、憂鬱の順に多い。
産婦人科診療ガイドライン・婦人科外来編2011では、月経前症候群(PMS)の診断には、米国産科婦人科学会の診断基準も考慮することとされています。そこでは、症状を具体的に身体的症状と精神症状に分け、次のような症状が挙げられています。
精神的症状
抑うつ、怒りの爆発、イライラ、不安、混乱、社会からの引きこもり、集中力の低下、不眠、眠気の増加、性的欲求の変化
身体的症状
のどの渇きと食欲の変化(過食)、胸の張り・痛み、むくみ・体重増加、頭痛、疲労、肌荒れ、腹部膨満感、手足のむくみ
月経前症候群(PMS)の症状は、200~300もあるとも言われ、ここに挙げられた症状の他にも、月経、生理前に起こる不調や症状は数多く認識されています。月経前症候群(PMS)の症状についての詳細はこちらのページをご覧下さい。
婦人科での月経前症候群(PMS)診断ガイドライン
産婦人科診療ガイドライン・婦人科外来編2011によると、月経前症候群(PMS)の診断は発症時期、身体的症状、精神的症状から行うとされています。
具体的には、月経前3~10日間(黄体期)のあいだに身体的・精神的症状があり、月経(生理)が始まると同時に、消失する場合に、月経前症候群(PMS)と診断されます。
診断の際には、米国産科婦人科学会の診断基準も考慮されており、診断基準は次の通りです。
- 過去3ヶ月間以上連続して、月経前5日間に、症状が存在すること
- 月経開始後4日以内に症状がなくなること
- 仕事、家庭、学校や社会的に、障害が認められる
病院でのPMSの診察の際に、必ずしも基礎体温は必要ない
PMSの診察の際には、必ずしも基礎体温表は必要ではありません。ただし、最終月経の日にちと期間は最低限言えるようにしておきましょう。またできれば、症状のあった日と症状の強さ、生理の期間等を記録するとよいでしょう(2~3ヶ月分あればベストです)。
スケジュール帳やカレンダーに簡単に書き込んだり、無料でダウンロードできるPMSダイアリーや、日本家族計画協会で販売されている、PMSメモリーを利用してもよいでしょう