PMSの診察や治療は、婦人科を受診します。通常PMSの診察と治療の際は、内診は行いません。基礎体温も必ずしもつける必要はありませんが、カレンダーやスケジュール等に生理周期と症状を記録したものがあるとよいでしょう。
生理前の不調が気になる時は、ひとりで我慢したり、悩まないで。
PMSは、周期的で正常な女性ホルモンの増減によりおこるとされています。体のどこかに問題があるから起こるものではありません。また、必ずしも治療が必要になるわけではありません。
しかし症状が強くてつらい時、日常生活に支障が出てしまう場合、症状がほかの病気によるものではないかと不安を感じる場合などは、病院で診察を受けましょう。お医者さんで診察を受けることで不安が解消したり、適切な薬を処方してもらい、症状を治療することができます。
病院に行くと決めたら、話をじっくり聞いてもらって治療法を選択したいのか、薬を処方してもらいたいのか、漢方薬で治療したい等、自分のニーズに合った病院を選ぶとよいでしょう。
病院によっては、「女性外来」を設けているところがあり、婦人科に比べて、問診でじっくり時間をかけて話を聞いてもらうことができます。
女性には性別的な差異だけでなく、子育てや家事、介護等で責任を負うことが多く、社会的、文化的差異が存在します。「女性外来」では、そういった状況がも考慮して、診療や治療がすすめられます。またお医者さんと話し合って、多くの選択肢の中から、自分が納得した治療法を選択することができます。
全国の女性外来や女性漢方外来を検索するには、こちらのサイトが便利です。
»特定非営利活動法人 性差医療ネットワーク 病院検索
女性外来は事前に予約が必要なところが多いです。最近は大変人気があり、予約がだいぶ先になる場合もあるようです。また近くに女性外来がみつからない方などは、「レディスクリニック」や「ウィミンズクリニック」などを探してみるとよいでしょう。
PMSの診察は問診がメイン
PMSの診察のメインは、問診になります。病院に行った時に問診票に記入して、それをもとに問診が行われます。問診票で聞かれる項目は次のようなものがあります。
- どのような症状で来院されましたか?
- 症状はいつ頃からです
- 月経について
初めての月経、月経の周期、月経の日数、月経痛の有無
月経不順の有無、最終月経の日 - 性交渉の経験
- 結婚歴について
- 妊娠歴について
- 病気や手術をされたことはありますか?
- アレルギーはありますか?
- 現在内服している薬はありますか?
- 現在ほかの病院に通院していますか
PMSの診察では基礎体温表は必ずしも必要ではない
PMSの診察では基礎体温表は必ずしも必要ではありませんが、最終月経のあった日と日数は答えられるようにしておきましょう。できれば月経のあった日と症状の種類、強さ等をカレンダーなどに記録したものがあると診察を受ける上で役立ちます。生理用品のソフィーのサイトから無料でダウンロードできる「PMSダイアリー」や、日本家族計画協会で販売されている「PMSメモリー」を利用してもよいでしょう。
基礎体温表は必須ではありませんが、基礎体温表をつけることで、自分の女性ホルモンの状態がどんな状態か知ることができます。また排卵日や月経日から月経前症候群(PMS)の症状の現れやすい日を予測できるメリットがありますので、つけるとよいでしょう。
PMSの診察では、必ずしも内診は行わない
婦人科を受診しにくい理由の一つは、内診ではないでしょうか。PMSの診察では、必ずしも内診は行われません。ただ、不正出血があるなど卵巣や子宮の病気が疑われる場合は、内診が必要になります。
内診をしなければならない場合でも、内診に抵抗があるという場合や、性交渉の経験がない場合などは、器具の種類を変えるなど配慮してもらえるので、お医者さんに相談しましょう。
婦人科で行われるPMSの治療法
PMSの治療には、大きくわけて5つあります。
- 鎮痛剤などの対症療法
- 漢方薬による治療
- 低用量ピル
- ホルモン療法
- SSRI
それぞれの治療法の詳細については、こちらのページをご覧下さい。