健康な女性は、約1ヶ月の周期で女性ホルモンのバランスが大きく変動します。月経前症候群(PMS)は、この女性ホルモンの正常な変動により起こると考えられています。
月経前症候群(PMS)の原因
月経前症候群(PMS)の症状は200~300もあるといわれていて、様々な要因が複合的に関与しているとされています。現在までのところ原因は、まだはっきりと解明されていませんが、現在最も有力と考えらえれている説が2つあります。
1つめは、排卵から月経にかけて女性ホルモンが急激に増減することにより、「自律神経」が影響をうけているという説です。
2つめは、女性ホルモンの急激な変動が、心のバランスを取っている「セロトニン」に影響を与えているという説です。
排卵から月経にかけて、2種類の女性ホルモンの「エストロゲン」と「プロゲステロン」の量が急激に変化することは、女性にとって正常なことです。
月経前症候群(PMS)の女性の月経周期は一般的に正常である
月経前症候群(PMS)の女性の、月経周期は正常であることが多いです。正常な月経周期とは、25日から38日の範囲内にあります。
ストレスや疲労などで、自律神経が乱れることにより、一時的に月経周期が乱れることはあります。しかしその場合は、卵巣の機能に異常があったり、女性ホルモンの分泌の低下や異常が原因で月経周期が乱れるというものではありません。
つまり月経前症候群(PMS)と診断される際は、女性ホルモンの分泌も、卵巣の機能も正常であることが条件のひとつです。
健康な女性だからこそ、月経前症候群(PMS)の症状があらわれる
このように月経前症候群(PMS)は病気ではなく、健康な女性であるからこそ起こる症状であるということができます。とはいえ、月経前症候群(PMS)のイライラや頭痛、腹痛等で、非常につらい思いをしている女性が多いのも事実です。
症状は体からの「今は体内で結構エネルギーを使っているので、普段より疲れるんですよ・・・」というメッセージやサインであると受け止め、月経前症候群(PMS)の症状がある時には、無理をせず、自分の体を労わってあげる考えられるような、気持ちや時間の余裕を持てるといいですね。
生理、月経は毎月ほぼ規則的にやってきますから、生理や月経をあらかじめスケジュールに組み込んで、予定を調整したり、睡眠をたっぷりとったり、サプリメントやハーブティーやアロマテラピーなどのセルフケアで、自分なりの月経前症候群(PMS)との上手なつきあい方ができたら、理想ですね。(なかなか難しいですが・・・。)
そしてあまりに症状が強く、日常生活に支障がある場合には、婦人科で診察を受けて薬を処方してもらう等などして、ひとりで悩んだり、我慢しすぎたりしないようにしましょう。
また生理前、月経間の精神症状があまりに強く、日常生活に支障がある場合には、月経前不快気分障害(PMDD)の場合もあります。PMDDかもしれない場合は、精神科の診察を受けることをおすすめします。