世界中の精神科医が、精神疾患を診断する際に使用している「診断基準マニュアルDSM-IV」に基づいて、自分が月経前不快気分障害(PMDD)かどうかをチェックしてみましょう。また月経前不快気分障害(PMDD)と症状が似ていて、間違いやすい病気には、うつ病などがあります。
月経前不快気分障害(PMDD)を診断する際の世界基準となっている、「DSM-IV」に記載されている症状
現在、月経前不快気分障害(PMDD)を診断する際の世界基準になっている「DSM-IV」の研究用基準案には、11の症状があげられています。
生理前、月経前に限り以下の症状が現れ、生理、月経の開始2~3日以内に症状がなくなります。
- 著しい抑うつ気分、絶望感、自己卑下の観念
- 著しい不安、緊張、「緊張が高まっている」とか「いらだっている」という感情
- 著しい情緒不安定性(例:突然、悲しくなるまたは涙もろくなるという感じ、または拒絶に対する敏感さの僧大)
- 持続的で著しい怒り、易怒性、または対人関係の摩擦の増加
- 日常の活動に対する興味の減退(例:仕事、学校、友人、趣味)
- 集中困難の自覚
- 倦怠感、易疲労性、または気力の著しい欠如
- 食欲の変化、過食、または特定の食べ物への渇望
- 過眠または不眠
- 圧倒される、または制御不能という自覚
- 他の身体症状、たとえば、乳房の圧痛または滋服、頭痛、関節痛または筋肉痛、「膨らんでいる」感覚、体重婚加
月経前不快気分障害(PMDD)かどうかの診断のポイントは、症状の強さです。
上記の11の症状のうち、1~4のいずれか1つ以上を含む5つ以上の症状が月経前~月経開始2~3日の間に現れる場合で、
症状がうつ病に匹敵する程強い場合(仕事または学校、または通常の社会的活動や他者との対人関係を著しく妨げる等)は、月経前不快気分障害(PMDD)と診断される可能性が高いといえます。
症状が軽い場合(日常生活や活動に支障がでない程度)は、月経前症候群(PMS)の可能性があります。
月経前不快気分障害(PMDD)と間違えやすい病気
月経前不快気分障害(PMDD)の症状に似ていて、間違いやすい病気に、下記の精神疾患があります。
- 気分変調性障害(プチうつ病、抑うつ神経症、神経症性抑うつ、小うつ病)
- 大うつ病性障害(うつ病・定型うつ病・非定型うつ病)
- 双極性障害(躁うつ病)
- パニック障害
- パーソナリティ障害
これらの病気はいずれも月経前に症状が悪化するといわれており、生理前、月経前の抑うつなどの症状が、月経前不快気分障害(PMDD)によるものなのか、他の精神疾患が悪化したものなのかを見極めることが大切です。