「女性のサプリメント」大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは、「女性のサプリメント」として広く知られています。大豆イソフラボンは、大豆に含まれ、女性ホルモン様の作用を持ち、更年期障害の症状の予防や改善、コレステロール低下作用、骨粗しょう症の予防と改善、抗酸化作用や抗ガン作用が期待されています。
大豆イソフラボンは、体内のエストロゲン受容体に結合することで、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをすると考えられています。女性ホルモンが過剰な時にはその働きを抑制し、逆に女性ホルモンが少ない時には、代わりにホルモンとして働きます。
大豆イソフラボンは、生理前の頭痛、胸の張りや痛み、下腹部痛、むくみに高い効果が!
PMS(月経前症候群)と大豆イソフラボンについては、2005年にイギリスで行われた臨床試験があります。2周期後、PMSの全般的な症状と身体的症状において、大豆イソフラボンとプラセボ(偽薬)ともに症状の減少がみられ、その差はありませんでした。
しかしPMSの症状の、頭痛(片頭痛)、胸の張りや胸の痛み、子宮周辺の下腹部痛、むくみにおいて、大豆イソフラボンの高い効果が見られました。
この臨床結果から、大豆イソフラボンは、PMSの特定の症状を減少させる可能性があると考えられています。
大豆イソフラボンが豊富に含まれる食品
大豆イソフラボンは、大豆からつくられた食品に含まれています。大豆イソフラボンが豊富に含まれる食品には、次の大豆食品があります。
食品名 | 平均含有量 (mg/100g) |
---|---|
きなこ | 266.2 |
揚げ大豆 | 200.7 |
大豆 | 140.4 |
凍り豆腐 | 88.5 |
納豆 | 73.5 |
煮大豆 | 72.1 |
味噌 | 49.7 |
油揚げ類 | 39.2 |
豆乳 | 24.8 |
豆腐 | 20.3 |
金山寺みそ | 12.8 |
おから | 10.5 |
醤油 | 0.9 |
参考:厚生科学研究(生活安全総合研究事業)食品中の植物エストロゲンに関する調査研究(1998)
「きなこ」に含まれる大豆イソフラボンの量に驚きますが、数値は100gあたりに含まれる平均の大豆イソフラボンの量です。乾燥している「きなこ」や高野豆腐など乾燥していて、食品に含まれる水分量が低いものは、数値が高く出ている点を考慮しましょう。きなこ100gはとても摂取できませんが、豆乳100gは簡単に摂取できます。
毎朝の野菜ジュースに「きなこ」を混ぜたり、食事に納豆や煮大豆を取り入れたり、手軽に豆乳を飲んだりして、自分のライフスタイルに合う大豆イソフラボンの摂取を心がけるとよいでしょう。
更にこれらの大豆食品には、月経前症候群(PMS)に効果があり、日本人に不足しがちなカルシウムが含まれており、低脂肪で良質な植物性たんぱく質が豊富に含まれています。納豆や豆乳などの大豆食品が食べられないという方は、サプリやサプリメントを摂取するのもよいですが、極力食品から摂取することをおすすめします。
大豆イソフラボンをサプリメントで摂取する際の注意点
大豆イソフラボンをサプリメントとして摂取する場合は、グリコシド(配糖体)を含有するものと、アグリコンを主成分とするものがあります。体内に吸収されやすいのは、グリコシドに比べて、糖がとれた形のアグリコン型です。
2006年5月、日本の内閣府食品安全委員会は、大豆イソフラボンの安全な1日摂取目安量の上限値を設定しました。大豆イソフラボンを過剰に摂取すると、女性ホルモンのバランスが崩れる可能性があるからです。
1日あたりの食品等からの摂取目安量の上限は、70~10mg(大豆イソフラボンアグリコン換算値)です。また1日あたりのサプリメントからの摂取上限量は、アグリコン換算で30mgです。