生理前の胸の張りや胸の痛みは、月経前症候群(PMS)の身体症状の中で最も多い症状。女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの働きによっておこり、正常なことで病気ではありません。また、乳汁分泌ホルモンのプロラクチンが影響している場合もあります。
生理前の胸の張りや胸の痛みは、月経前症候群(PMS)の身体症状No.1!
生理前に胸の張りや痛みを感じたり、かゆみを感じたり、胸のサイズが大きくなる人は大変多いです。これらの乳房症状は、月経前症候群(PMS)の身体症状で最も多いといわれています。
また月経困難症に比べて、月経前症候群(PMS)では、イライラなどの精神症状と乳房症状が強く出るとされています。
生理前の胸の張りと痛みは、病気や異常ではない場合が多い。
エストロゲンには、乳腺を拡張させる働きがあり、プロゲステロンには乳腺の発達を促す働きや水分を貯め込む働きがあります。そのため生理前に胸の張りや痛みがおこることがあり、病気ではない場合が多いです。
胸のサイズは、女性ホルモンが正常に分泌されていると、生理前になるとワンサイズ程度大きくなるともいわれています。
生理前は胸のサイズが大きくなり、胸の張りや痛みを感じる人も多く、血液やリンパの流れも滞りがちになります。生理前には、ノンワイヤーのものや、胸を締め付けないタイプのゆったりしたブラジャーなどで、血行やリンパの流れを妨げないようにするとよいでしょう。
プロラクチンの影響で、生理前の胸の張りや痛みがおこる場合も
乳汁分泌ホルモンのプロラクチンが影響して、生理前に胸の張りや痛みを感じる場合があります。プロラクチンは、通常妊娠や出産すると分泌量が高まり、乳腺を刺激して母乳を出したり、排卵を抑制する働きがあります。
しかしストレス等が原因で、妊娠していないにかかわらず、過剰に分泌されることがあります。プロラクチンが過剰に分泌されると、胸の張りや痛みがおきたり、排卵が起きにくくなり、月経の周期が乱れることがあります。
生理前の胸の張り、胸の痛みを予防するマグネシウム
米国産科婦人科学会(ACOG, The American Congress of Obstetricians and Gynecologists)においても、マグネシウムのサプリやサプリメントを摂取は、PMS(月経前症候群)に効果がある可能性があると紹介しています。
PMS(月経前症候群)の女性に、1日あたり200mgのマグネシウムのサプリメントかプラセボ(偽薬)を2周期の間服用してもらった実験があります。マグネシウムを摂取した女性において、胸の張りや胸の痛み、「むくみ」の減少がみられました。
またマグネシウム不足がPMS(月経前症候群)の症状につながり、PMS(月経前症候群)の女性はそうでない女性に比べて、血中のマグネシウムのレベルが低い傾向があるとも言われています。
現代の日本人は、食事からのマグネシウム摂取が不足しがち。マグネシウムが豊富に含まれる海藻や豆類などを積極的にとりましょう。生理前の不調にお悩みの方は、マグネシウムのサプリやサプリメントで補うのがおすすめ。普段からマグネシウムを充分摂取することで、生理前の胸の張りや胸の痛みの予防につながります。
チェストツリーは、胸の張りと胸の痛みに効果あり!
チェストツリーのサプリメントとPMS(月経前症候群)についての臨床試験は数多く行われており、エビデンス(科学的根拠)のあるハーブ・サプリメントです。
2000年にドイツで行われた臨床試験では、1,634名のPMS(月経前症候群)の女性に対して、3周期の間1日あたり40mgのチェストツリーを投与した結果、93%の女性で症状の軽減または消失が認められました。
とくに効果が認められた症状は、胸の張りや胸の痛みの軽減、イライラなどの精神症状の改善でした。
チェストツリーは、ハーブですが苦みと渋みが強く、香りや甘みがほとんどありません。ハーブティーとしては飲みにくいので、サプリやサプリメントで摂取するとよいでしょう。また、効果が表れるまでに2~3ヶ月かかるとされています。