月経前不快気分障害(PMDD)の治療は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)という抗うつ剤の投薬がメインです。月経前不快気分障害(PMDD)はうつ病の一種と考えられているため、精神科で診察・治療を受けるとよいでしょう。
月経前不快気分障害(PMDD)の診断、治療は、精神科で
月経前不快気分障害(PMDD)は精神症状が主で、国際的にうつ病の1つと位置付けられています。
また月経前不快気分障害(PMDD)の治療には、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)という抗うつ剤が使われます。症状の程度を的確に診断し、症状が出ている時だけ服用するのか(間欠療法)または服用を続けるのか(継続療法)など薬の服用パターンを決定することや、服用量を決めるなど、「さじ加減」が必要になってきます。日頃から抗うつ剤等の処方に慣れている精神科医のもとでの、診察や心療が安心です。
自分では月経前不快気分障害(PMDD)だと思っていても、気分変調性障害(プチうつ病)など、PMDDと症状が良く似ている他の病気であったというケースもあります。PMDDと間違いやすい病気は精神疾患が多いので、精神科医の医師に診断してもらえば安心でしょう。
月経前不快気分障害(PMDD)の治療は、一般的に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が使われる
月経前不快気分障害(PMDD)の治療薬として世界的にもっともよく使われているのは、選択的セロトニン再取り込阻害薬(selective serotonin reuputake inhibitor, SSRI)という抗うつ剤です。SSRIは、月経前症候群(PMS)の治療に用いられていて、うつ病、パニック障害、偏頭痛の予防、過食症の治療にも用いられています。
現在日本で使われているSSRIは3種類ありあります。
- パロキセチン(商品名:パキシル)
- フルボキサミン(商品名:デブロメール、ルボックス)
- セルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)
PMDDを治療する際のSSRIの服用のパターンは3つあります。
- PMDDの症状が出ている時だけ薬を服用する方法
- 生理前、月経前の2週間だけ薬を服用する方法
- ずっと薬を服用する方法
1と2は、間欠療法、3は継続療法といい、最近では1の症状が出ている時だけ薬を服用する方法を取ることが多いようです。
薬の服用量は、1日あたり、フルボキサミンなら50mg、パロキセチンなら10mg、セルトラリンなら25mgといった低用量で十分な効果があります。低用量で効果が見られない場合は、増量されます。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の副作用は?
SSRIで起こりやすい副作用としては、消化器症状が多く、吐き気、嘔吐、下痢等があります。
そのほかには、眠気、不眠、イライラ感、性欲減退、頭痛などが起こることもあります。
消化器症状とイライラ感は、1週間ほどでほとんど気にならなくなることが多いのですが、その他の副作用は長期に続くことが多いようです。つらい副作用が長期に続く場合は、ほかの薬に変更してもらった方がよいでしょう。
精神科クリニックや総合病院、大学病院の精神科での月経前不快気分障害(PMDD)の診察、治療
月経前不快気分障害(PMDD)の診察、治療には、精神科クリニックや、総合病院、大学病院の精神科を受診するとよいでしょう。
精神科クリニックは駅前などにあり、夕方以降や土曜日も診察しているところも多く、仕事を持った方にも通いやすいでしょう。総合病院や大学病院に比べて待ち時間が短く、診療に時間をさいてくれる傾向があります。
総合病院や大学病院の精神科も、内科や外科等様々な科があるのでかかりやすい印象があります。しかし患者数が多く、待ち時間が長くかかるかかり、診療時間も短い傾向があります。
逆に日本の精神科病院は、入院が必要になる統合失調症などの治療を中心にしているところが多く、通院しにくい場所にあることも多いので、PMDDの治療にはあまり向かないといえます。