月経前不快気分障害(PMDD)に対する漢方治療については、現在までのところ臨床試験の報告がなく、エビデンス(科学的根拠)が十分ではありません。しかし30名のPMDD患者に加味逍遥散を投与したところ、14名でほとんど症状が認められなくなったというオープン試験の結果があります。
月経前不快気分障害(PMDD)への漢方治療はエビデンスが十分ではないが、軽症の場合は1~2周期試してみても
現在までのところPMDDに対する漢方治療については、プラセボ対照ランダム化対象比較試験等の臨床試験の結果がなく、エビデンス(科学的根拠)が充分でありません。
しかし、30人の月経前不快気分障害(PMDD)の患者が、加味逍遥散(かみしょうようさん)という漢方を継続療法で服用したところ、14人にPMDDが寛解(かんかい、ほとんど症状を認めなくなった)という報告があります。
「漢方は長く飲まないと効かない。」と耳にすることがありますが、効果がある場合は、1ヶ月程度で効果が現れます。PMDDの症状が比較的軽い場合は、漢方(加味逍遥散)の治療を1~2週期の間試してみてもよいかもしれません。しかし効果がない場合は、SSRIでの治療に切り替えることが大切です。